受験指導に長く携わる中で、私たちがずっと気になっていたことがあります。
「塾に通っている。勉強もしている。なのに、成績が上がらない。」
こうした相談は、決して特殊なケースではありません。むしろ、フェイスに入塾する生徒の多くが、最初にそう話します。原因はいくつか考えられますが、共通して見えてくるのは「学習プロセスのどこかが機能していない」という事実です。
この記事では、私たちフェイスが取り組んでいる指導の考え方を、できるだけ正直にお伝えします。「すごい方法」を紹介したいわけではありません。学習がうまくいかない理由を構造的に整理し、フェイスがその問題にどう向き合っているかをお話ししたいと思います。
学習の過程を分解すると、大きく次の流れになります。
①情報の検索 → ②理解 → ③定着 → ④マスター → ⑤成果
この流れを意識したとき、多くの塾や学校が提供しているのは「②理解」まで、という現実があります。授業で教わり、「わかった」という感覚を得る。ここまでは手厚くサポートされます。しかしその後の「③定着」「④マスター」は、生徒自身の自習に委ねられることがほとんどです。
自己学習には、次の3つの壁が存在します。
自己学習に潜む3つの壁。どれか一つでもつまずくと、学習の連鎖が止まる。
【定着の壁】適切なタイミングで復習しないため、翌日には大半を忘れてしまう(忘却曲線)。
【メンタルの壁】苦手意識が積み重なり、自分から応用問題に取り組めなくなる。
これらは個人の努力や意志の問題ではなく、学習の「仕組み」が整っていないために起きる構造的な問題です。だからこそ、仕組みで解決する必要があります。
一般的な塾・学校が関与できるのは「②理解」まで。その先は生徒自身に委ねられているのが現状。
「授業でわかった」という感覚と「試験本番で得点できる」という状態の間には、大きな距離があります。その距離を埋めるのが「③定着」と「④マスター」です。ここに手が届いていなければ、どれだけ丁寧に教えても、結果にはつながりにくいのです。
この問題に対して、フェイスが出した答えは「AIとプロ講師の役割を明確に分ける」ことです。
AIは、情報処理・検索・反復という作業において、人間をはるかに上回ります。一方で、生徒の感情を読み取り、信頼関係の中で自信を引き出し、その生徒だけに合わせた言葉をかける——これは人間にしかできないことです。
この二つを組み合わせることで、学習の全ステップをカバーする「完全サイクル」が生まれます。
AIと人間が担う領域を明確に分け、互いの強みを最大化する。
プロ講師が担うこと:深い理解の確認、メンタルケア、学習戦略の立案と更新
自習中に手が止まる最大の原因は、「分からないこと」への対処です。辞書を引く、参考書を調べる、ネットで検索する——この行動自体は正しいのですが、そのたびに集中が途切れ、元の思考に戻るまでに時間がかかります。
フェイスでは、AIを活用して疑問を即座に解消することで、思考の流れを止めない学習環境を整えます。英文の構造分析も、数学の解法提示も、生徒が「なぜ?」と感じた瞬間に答えが得られます。
「調べる」時間を最小化し、「考える」時間を最大化する。
成績が伸び悩む生徒に共通してみられるのが、「メンタル・ブロック」と呼ばれる状態です。過去の失敗体験や苦手意識が積み重なることで、「どうせ自分には無理」という感覚が潜在意識に根付いてしまいます。
これは意志の弱さではありません。氷山の水面下に隠れた部分——目には見えないけれど、確実に学習の足を引っ張っている要因です。
スコアや論理の問題ではなく、潜在意識の「ブレーキ」を外すことが先決。
プロ講師は、生徒の発言や表情、取り組み方の変化を観察しながら、このブレーキに気づき、丁寧に外していきます。「すでに目標を実現できる存在として生徒を見る」——これがフェイスの指導の根底にある姿勢です。AIとの対話ではこの役割は果たせません。人との継続的な信頼関係の中でこそ、自信は育まれます。
記憶の定着に関しては、脳科学の研究が多くのことを明らかにしています。その一つが「再読よりも想起練習(Active Recall)の方が、はるかに記憶が定着する」という事実です。
教科書を繰り返し読む勉強法は、「読んでいる間はわかった気がする」ものの、実際の定着率は低いことが分かっています。一方、テスト形式で自分の記憶から情報を「引き出す」練習をすると、脳への負荷が高まり、記憶が長期間保たれます。
「再読のみ」と「想起練習」では、長期的な記憶定着率に大きな差がある。
フェイスでは、AIが各生徒の学習履歴をもとに、「忘れかけたタイミング」を自動で判断し、最適な問題を再出題します。この仕組みにより、人間には難しい「最適なタイミングでの反復」を、疲れることなく継続することが可能になります。
学習科学で「プロテジェ効果(Protégé Effect)」と呼ばれる現象があります。人に教えることを想定して学習すると、理解が深まり、記憶の定着率が上がるというものです。「他者に教える」という行為は、情報の整理・論理の構築・言語化を同時に求められるため、脳に高い負荷をかけます。この負荷こそが、知識を「本物の理解」に変える鍵です。
学習定着率の比較。「他者に教える」は90%と、あらゆる学習法の中で最も高い。
フェイスでは、AIでの反復演習をベースにしながら、プロ講師への説明(アウトプット)をセットで行います。「AIで練習し、講師に説明する」というサイクルが、知識を「マスター」の領域へと押し上げます。
どれだけ良い指導を受けても、塾にいる時間は限られています。週1〜2回の授業の間、生徒は自宅で一人で学習に向かわなければなりません。この「塾と家の間の時間」に何が起きているかが、成果に大きく影響します。
家ではAIが24時間対応し、塾ではプロ講師が直接指導。この連携が学習の空白をなくす。
フェイスでは、家での学習をAIがサポートします。疑問があれば即座に答えが得られ、復習のタイミングも自動で管理されます。そして塾では、AIが記録した学習状況をもとに講師が理解度を確認し、メンタルケアと戦略の更新を行います。
この「家ではAI、塾では人」というサイクルが機能することで、「分からないから止まる」という停滞を防ぎ、学習を継続させることができます。
自己学習への依存、一般的な塾、そしてフェイスの指導——それぞれが学習のどのステップに対応しているかを整理すると、以下のようになります。
学習ステップ別の対応状況。フェイスは全ステップに対応する仕組みを持つ。
| 学習ステップ | 自己学習 | 一般的な塾 | 個別指導塾フェイス |
|---|---|---|---|
| ① 情報の検索 | △ | ○ | ◎ |
| ② 理解(心のケア含む) | ✕ | ○ (論理の説明のみ) | ◎ |
| ③ 定着(反復) | ✕ | △ (宿題依存) | ◎ |
| ④ マスター(出力) | ✕ | ✕ | ◎ |
一般的な塾が「教えること(ティーチング)」を中心に設計されているのに対し、フェイスは「マスターさせること」を目標に設計されています。そのためには、理解させるだけでなく、定着・アウトプットまでを支援する仕組みが必要になります。
AIの進化は、学習の効率化に大きく貢献します。しかし私たちは、AIが得意なことと、人間にしかできないことを冷静に見極める必要があると考えています。
情報の処理・検索・最適な反復——これはAIが圧倒的に得意とする領域です。一方、生徒の状態を観察し、言葉を選び、信頼関係の中で「あなたならできる」と伝える——これは人間のプロ講師にしかできないことです。
フェイスに入塾した生徒の受講科目の偏差値は、6か月で平均8.7ポイント上昇しています(2020〜2024年入塾者全員の実績)。この数字は、仕組みが機能していることの一つの証拠として、正直にお伝えします。
もし、現在の学習状況に行き詰まりを感じているなら、一度フェイスの考え方をお聞きいただければと思います。入塾を前提とした話でなくても構いません。まずは、お話を聞かせてください。