「思考の筋道」を身につける
「現代文の答えは、すべて本文の中に書かれている」という言葉は、耳にタコができるくらい聞いたことがあるでしょう。
でも、国語が苦手な方たちが不満に思っているのは、「それは分かっているよ。でも、その『書かれている場所』っていうのがどこか、自分で見つけられないんだよ!」ということではないでしょうか?
この「国語が苦手な人のための 現代文解法基礎」講座は、
「答えが書かれている場所(答えの根拠となる場所)」の見つけ方から始めて、
正答へ自力でたどりつくための「思考の道筋」を身につけていただくことを目標
としています。これは、今までフィーリングで解いていた、つまり無意識のうちに行なっていた「正答へ至るための考え方の手順」を、意識化することでもあります。
最終的には、どんな問題が出されても、その思考法を用いることで、自分で考えて正答にたどりつくことができるようになります。
では、授業で具体的にどんなことをするのか、その中のひとつを、実際に問題を解くことで紹介します。
下の「問題」をクリックして、問題を表示させてください。(必要ならば、印刷してください)
★ 問題 ★ (pdfファイル/約200kb
解説を読む前に、できるだけ自分で解いてみてください。(制限時間10分)
そして解き終わったら、下の「解説の表示」をクリックして、解説を表示してください。
※ 問1と問2の二問がありますが、このHP上で解説するのは問1のみです。
ー 解説 ー
解けましたか?
問1は簡単だったと思います。先に答えを言ってしまいましょう。正解は④「侵犯」です。おそらくこの問題を間違える人はほとんどいないと思います。
さて、ここで質問です。
なぜ④を選んだのですか? 頭の中で考えるのではなく、口に出して説明してみてください。
この時点ではっきりと根拠を説明できない方は、「フィーリング」で解いているということです。この問題のように簡単な問題でしたらフィーリングでも解けないことはないですが、一般的な入試問題では通用しません。
また、本文6行目に「AとBは契約を結んで縄張りを決め、その区画をそれぞれに分かち合うのである」と書いてあるから、という説明をする方も多いです。
ではここで再度質問します。
「その部分を解答の根拠と考えた理由は何ですか?」
なぜこのような質問をするかというと、もちろんこの部分は空欄aの直前であり解答の根拠となる可能性が高いといえますが、でも、入試では必ずしも直前が根拠となるというわけではありません。
なぜ第一段落は根拠ではないと判断したのですか? 空欄aの後ろは根拠にならないのですか?
これを説明できないならば、やはり「フィーリング」で解いていると言わざるをえません。
では、正解に至るためにはどのように考えていったらいいのでしょうか。この例題を使って、「思考の筋道」をシミュレーションをしてみましょう。