国語が苦手を克服するための現代文の解法

国語が苦手を克服するための、現代文の解法の特別個別指導です。

現代文って、どう勉強したら良い?という疑問に応える個別指導の講座です。
みなさんは、現代文をどのように勉強していますか?
いちばんよく聞くのが、「どうやって勉強したらいいのか分からない」という意見です。
勉強法が分からないから、とりあえず問題集を解いて、答え合わせをして、間違ったところの解説を読んで、「現代文の勉強をしたな」と満足を得る。
これが、一般的な学生の現代文の勉強法でしょう。
でも、、、ここでふと疑問が浮かびます。

「でも、この問題は二度と出題されることはないよね。
それに、これが解けるからといって、他の問題は解けるようになったのだろうか?」
・・・・・・

現代文って、どう勉強したら良い?

現代文とは、何を身につける教科なのか

他の教科は、何を勉強するべきかが比較的はっきりしており、きちんと体系化されています。たとえば英文を読むために単語を覚えて構文を理解する、あるいは、証明できるように公式を覚えたり出題パターンをチェックする、など、「こう勉強すればいいいんだな」ということが目に見えやすいです。その点、勉強に取っつきやすいともいえます。
でも、現代文は何から手を付けていいのか、勉強法の予測がつきません。
現代文はいったい「何を」「どうやって」勉強したらよいのでしょうか?

現代文の勉強の難しさは、ここにあります。現代文の勉強法が分からないというのは、暗記ものなどの教科と違って、現代文で身につけるべき能力が、目にはっきりと映るものではないからです。

現代文の能力とは、

Step 1. 「文字による情報」を読み取り

Step 2.それをもとにして「論理的思考」を行なって「妥当な結論」へとたどりつき

Step 3.それを「文字によって表現」する

能力です。
言い方を換えれば、文字情報をもとにした「思考の筋道」を確立させることです。

「思考の筋道」を身につける

「現代文の答えは、すべて本文の中に書かれている」という言葉は、耳にタコができるくらい聞いたことがあるでしょう。
でも、国語が苦手な方たちが不満に思っているのは、「それは分かっているよ。でも、その『書かれている場所』っていうのがどこか、自分で見つけられないんだよ!」ということではないでしょうか?

この「国語が苦手な人のための 現代文解法基礎」講座は、

「答えが書かれている場所(答えの根拠となる場所)」の見つけ方から始めて、
正答へ自力でたどりつくための「思考の道筋」を身につけていただくことを目標

としています。これは、今までフィーリングで解いていた、つまり無意識のうちに行なっていた「正答へ至るための考え方の手順」を、意識化することでもあります。

最終的には、どんな問題が出されても、その思考法を用いることで、自分で考えて正答にたどりつくことができるようになります。

では、授業で具体的にどんなことをするのか、その中のひとつを、実際に問題を解くことで紹介します。
下の「問題」をクリックして、問題を表示させてください。(必要ならば、印刷してください)
★ 問題 ★ (pdfファイル/約200kb

解説を読む前に、できるだけ自分で解いてみてください。(制限時間10分)
そして解き終わったら、下の「解説の表示」をクリックして、解説を表示してください。

※ 問1と問2の二問がありますが、このHP上で解説するのは問1のみです。

ー 解説 ー

解けましたか?
問1は簡単だったと思います。先に答えを言ってしまいましょう。正解は④「侵犯」です。おそらくこの問題を間違える人はほとんどいないと思います。

さて、ここで質問です。
なぜ④を選んだのですか? 頭の中で考えるのではなく、口に出して説明してみてください。
この時点ではっきりと根拠を説明できない方は、「フィーリング」で解いているということです。この問題のように簡単な問題でしたらフィーリングでも解けないことはないですが、一般的な入試問題では通用しません。

また、本文6行目に「AとBは契約を結んで縄張りを決め、その区画をそれぞれに分かち合うのである」と書いてあるから、という説明をする方も多いです。

ではここで再度質問します。
「その部分を解答の根拠と考えた理由は何ですか?」

なぜこのような質問をするかというと、もちろんこの部分は空欄aの直前であり解答の根拠となる可能性が高いといえますが、でも、入試では必ずしも直前が根拠となるというわけではありません。
なぜ第一段落は根拠ではないと判断したのですか? 空欄aの後ろは根拠にならないのですか?
これを説明できないならば、やはり「フィーリング」で解いていると言わざるをえません。

では、正解に至るためにはどのように考えていったらいいのでしょうか。この例題を使って、「思考の筋道」をシミュレーションをしてみましょう。

Method 1. 設問の分析

<国語の問題を解く入口は、「設問の分析」――「自分がこの問題を解くにあたってどんなことを考えなければならないのか」ということの意識化です。

これは、宝の地図を手に入れるのと同じようなものです。
たとえば、「広島市のどこかにすごい宝がある!」と言われても、いったいどこを探したらいいのか分かりません。宝の地図、あるいは、宝の地図を得るための地図や暗号文(タヌキやコケシの絵の描かれた暗号文)など、なにかしら手掛かりになるものがないと、手の着けようがないでしょう。
国語の問題を解くときも同じで、あてずっぽうに、あるいは何となく本文を読んでも、宝=答えの根拠となる場所は見つかりません。見つかっても、手当たり次第に探すのですから、時間がかかる上に間違いも多くなってしまいます。
「自分がこの問題を解くにあたってどんなことを考えなければならないのか、ということの意識化」というのは、この宝の地図を手に入れるのと同じことです。

先述のStep1「『文字による情報」の読み取り」は、なにも問題の本文だけが対象ではありません。「文字による情報」は、入試問題では、「出題者が設定した設問」も含まれます。
設問から出題者の意図、つまり、「どういうことを受験生に答えさせようとしているのか」を読み取ることで、自分がこの設問を解くために何をしなければならないのかが明確になってきます。

具体的に問題にあたってみましょう。問1は、比較的単純な設問です。

「空欄aに入れるのに最も適当と思われる語を次の①~⑤の中から選び、記号で答えよ」

ここで読みとるべきは、「最も適当なもの」を「一つ」選ぶ、という条件です。
単純だからといって読みとばしたりしないでくださいね。なぜならば、例えば設問には「誤っているものを選べ」とあるのに、それに気づかずに「正しいもの」を選んで×になってしまう、という失敗をする人がいるからです。

問2は、設問の分析だけしておきます。

「傍線部b『権利に対して義務が説かれる』とあるが、『義務』とは何か、
文中の言葉を用いて二十字以内で答えよ。(句読点は一字に数えない) 」

記述の問題では、まず解答の文末表現を決定します。この問題では「『義務』とは何か」とありますから、文末表現は「…こと」という名詞にする必要があります。これを「…から」などの原因理由の文末表現を使っていると、マイナス1点です。

次に、文字数制限です。制限がない場合もありますが、ある場合は、最低限、制限数の-4文字までの文字数で書きましょう。
この問題の場合、「二十字以内」という条件ですから、最低限16文字なくてはならない、ということです。
※ なぜ-4文字なのかは、長くなるのでこのHP上では解説を省略します。

以上の分析は、解答の形式的な部分に関するものです。
でも、大事なのはここから。解答の内容に関する分析です。

この設問において解答すべき内容は、「『権利に対して義務が説かれる』とあるが、『義務』とは何か」ということですね。
この部分を何も考えずただ流し読むだけで、すぐに本文チェックをするのは、あまり「かしこい」やり方ではありません。上述したように、「出題者の意図」つまり「この設問で出題者は受験生に何を答えさせたがっているのか」を把握した方が、この先考えを進めていく上で、大きな手助けとなるからです。

具体的にやってみましょう。
「『義務』とは何か」とあるので、この設問は「義務」について説明する問題です。
ここで、本文をチェックする前に、「では『義務』とはなんだろう?」と考えます。「義務」の辞書的意味です。「義務」とは、「しなくてはならないこと、あるいは、してはならないこと」です。

義務 = しなくてはならないこと、あるいは、してはいけないこと

これを意識できていれば、本文を読むときにも「じゃあ、『しなくてはならないこと』という内容で書かれている部分を見つければいいのだな」という「読むときの目安」を持つことができます。そうすることで、何も考えずに本文を読むよりも素早く正確に「根拠となる部分」へとたどり着くことができるようになります。

もうひとつのポイントは、傍線部bに「権利に対して」とあることです。このことから、考えるべき「義務」は、「権利」と対比されるかたちで書かれているはずだ、という予測も成り立ちます。

このように、本文にあたるまえに「設問の分析」することで、「根拠となる場所」という宝を見つけるための地図が手に入りました!

Method 2. 本文のチェック

設問の分析ができたら、今度は本文のチェックです。

まずは、空欄(傍線部)を含む一文をきちんと理解します。なぜなら、その文が理解できないならば、空欄を埋めることもできないからです。
下に、空欄を含む文を分解して図式化してみました。

この図をみると、空欄aは「Bに対するAの権利」に関するものだと分かります。

さて、次はどうするか。
文頭の「その場合」が気になってきますね。
これが何を指すのかをきちんと把握できていますか? 指示語が何を指しているのかは、必ずチェックするようにしてください。でないと、その一文を理解したことにはなりません。

また、この「その場合」という言葉の働きに注目することも重要です。「その場合」という言葉は、どんなときに使いますか?
よく見かけるのが、たとえば数学の証明のときです。
「xが1以上の場合…(Y)…」
「xが1未満の場合~(Z)~」
など、場合分けで使用します。このように書かれていたら、それぞれ
「xが1以上の場合のみ…(Y)…が成り立つ」
「xが1未満の場合のみ~(Z)~が成り立つ」
という意味であることは分かりますよね。
文章の中で使われているときにも同じです。ということは、「AはAの土地に絶対にBの( a )を許さぬ権利を保持することになるかわり、~要請される」とは、「その場合」にのみ成り立つ内容だ、といえます。ならば、次にやるべきことは、これが成り立つ条件である「その場合」とはいったいどんな場合なのかチェックすることですね。

本文を図式化してみました。

その場合=AとBが契約を結んで縄張りを決め、その区画をそれぞれに分かち合う場合

ということは、AがBに対して持っている権利とは、自分の土地の中にBを入れさせなくてもよい、という権利です。縄張りを決めたのだから、勝手に入っちゃダメということですね。
よって、空欄aには「入る」「勝手をする」等の意味の言葉が入ることが分かりました。

Method 3. 選択肢の吟味

ここで選択肢を見てみましょう。選択肢を吟味するには、選択肢の内容を理解しないといけません。この問題の場合は選択肢が一単語の熟語ですので、それほど難しくはありませんけどね。
それぞれの意味を書いてみます。

① 釈明:誤解や非難などに対して、自分の立場や事情を説明して、相手に了解を求めること。

② 独占:ひとりじめにすること。

③ 逃亡:逃げ出すこと。

④ 侵犯:他国の領土・権利などをおかすこと。

⑤ 妥協:意見の対立する者の一方または双方が譲り、話をまとめること。

この中で「入る」「勝手をする」等の意味を持つのは④だけです。よって、答えは④。

まとめ

問1の解答の根拠は、結局のところ「フィーリング」で解いたときと同じ場所でした。
でも、紹介した解法と「フィーリング」の解法には、決定的な違いがあります。
それは、その「根拠の場所」にたどりつくまでの思考の道筋が、はっきりと意識されているか、いないかです。

フィーリングで解いた方も、おそらく無意識のうちに、紹介した思考法をとっていたはずです。だって、正解しているのですから。ただ、それを意識化できなかっただけです。

この解法を意識的に使いこなせるようになることによって、「何となく」ではなく、確信をもって正解へとたどりつくことができるようになります。
それは、現代文を解く上で、大きな力となるでしょう。

授業内容

この個別指導の目標は、〈自力で正解にたどりつくための「思考の筋道」を身につけること〉 です。

簡単な問題から始めて、とくに「設問の分析」と「答えが書かれている場所(答えの根拠となる場所)の見つけ方」を中心に、集中して国語の解法をトレーニングします。

プロ講師によるマンツーマン(1対1)のトレーニング

講義は、指導経験10年以上のプロ講師が、1対1で、受講生の学習進行状況をしっかりと把握しながら進めていきます。そのため、どこでつまづいているか、それを克服するには何をしたらよいのか等、受講生一人ひとりに密着した指導をきめ細かに行ないます。

自己学習のコーチング

この講義で学んだ知識や解法を自己学習に活かすよう、自己学習のペースを講師が確認し、効果的な学習が進められるよう、個別に指導します。

要項

受講期間と受講回数

期間:1カ月~2カ月
回数:8回(1回90分の1対1個別指導授業)
個別指導ですので、受講生のご都合に合わせて、いつでもスタートできます。
自己学習の時間も考慮し、週1、2回の決まった曜日での受講が効果的です。

受講時間帯

月~土のご希望の時間帯を選択できます。

A:13:40~15:10
B:15:20~16:50
C:17:00~18:30
D:18:40~20:10
E:20:20~21:50

費用

60,000円(税抜)/1回90分:1対1の個別指導×8回(テキスト代を含みます)

本価格は、消費税を含んでおりません。
自己学習用として、3,000円程度の市販教材の自主購入をお勧めすることがあります。
本セミナーのみ受講の場合、入塾費は不要です。

お申し込み・お問い合わせ

お申し込み、お問い合わせは、お電話にてお願いいたします。
本セミナーは、いつでもスタートできます。
お申し込みの際、受講希望日と時間帯をお知らせください。
お申し込みいただいた順に、受講日、時間帯を割りあてさせていただきます。
教室と講師の都合により、受講日と時間帯は、ご希望にそえない場合があります。
お申込み前に、無料体験授業を受けることができます。

要綱・申込用紙 印刷用 PDF