自律学習コーチング

すべての能力は、学習を繰り返してはじめて育成されます。
さらに、自らの意志でモチベーションをもって計画的に学習を繰り返した場合、その能力は著しく発達します。

この自らの意思で計画的に学習を繰り返すことを、「自律学習」と呼びます。

苦手科目の克服であろうと志望校合格であろうと、目標の達成のためには
この自律学習が非常に重要です。

ところが、多くの学生は、自律学習の習慣がありません。
特に苦手科目に関しては、まず間違いなく、自律学習ができていません。

フェイスでは、

  • 成績を向上させたいすべての教科
  • 受験に必要なすべての教科

を対象として、塾生一人ひとりに合わせた「自律学習コーチング」を行い、
自主的で計画的な学習を習慣化し、苦手科目の克服や志望校合格などの目標達成を確実に実現させます。


入塾者全員に提供するイニシャル・コーチングについては以下を参照ください。

入塾されたすべての塾生にイニシャル・コーチングを受講してもらいます。 ●学習に対する苦手意識(メンタルブロック)の解消、●挑戦的な目標設定ができるマインドセットの獲得、●セルフイメージ(自己肯定感・自己効力感)の向上、●学習の意義の獲得  が期待できます。

自律学習が大切

苦手科目でも「自律学習」により克服できる

目標を定めて、その目標達成のための課題を1つづつ繰り返し演習していけば、
誰でも、必ず、どんな科目でも、できるように(得点が取れるように)なります。

そもそも、人間の脳には、得意/苦手の区別がありません。
はじめから、得意/苦手が決められているわけではありません。

何らかのきっかけで、得意になったり、苦手になったりします。

・あることについて、先生から叱られた【得意】/ほめられた【苦手
・ある教科の先生が、好きだった【得意】/嫌いだった【苦手
・ある教科が、面白いと感じた【得意】/つまらないと思った【苦手

などの、何らの出来事がきっかけで、

繰り返し行うことができた物事は【得意】になり
遠ざかってあまりやらなくなった物事は相対的に【苦手】になります。

もう一度繰り返しますが、
人間の脳には、得意/苦手の区別がありません。
脳には、繰り返し行うことができた物事が得意になるという「学習能力」があるだけで、
ほとんどの人に同等にその能力は備わっています。

目標を定めて、その目標達成のための課題を1つづつ繰り返し演習していけば、
つまり、自律学習が習慣化できれば、誰でも、必ず、どんな科目でも、できるように(満足な得点が取れるように)なります。

志望校合格のためには「自律学習」が必須!

ほとんどの受験生にとって、「志望校」は現在の実力よりも上の学校であるはずです。
同等もしくは下の学校を「志望校」にする人は、まずいません。

つまり、受験生にとって、志望校合格という目標達成のためには、
克服しなければならない、何らかの「苦手」を持っているはずです。

苦手な部分(科目や単元、知識もしくは能力)に関しては、前項で説明したとおりで、「自律学習」の習慣化によって、確実に克服できます。
結果として志望校合格という目標が達成できます。

ただし、大学受験、高校受験に限らず、
受験生の多くは、受験勉強開始時点で、残念ですが、この「自律学習」の習慣ができていません。
そのため、「どのように受験勉強を進めたら良いか?」という不安を抱えています。

その不安から、学校の補習授業、予備校や塾の集団講習を過剰に受講する傾向があります。
けれども、集団授業をいくら受けても、その授業内容に対する理解は進みますが、受験に必要な能力(問題を解く能力)は伸ばせません。
その理由は、自ら学習(問題演習や能力開発のトレーニング)をしないと受験に必要な能力は伸びないからです。

そもそも「能力」というものは、繰り返しその「能力」を使うことで、伸ばせるものです。
人の話をいくら聞いても(授業を受けても)、「能力」は伸びるものではありません。

大学受験や高校受験に必要な能力を伸ばすためには、「自律学習」の時間をしっかりと確保し、適切に進める必要があります。

なかなかうまくいかない自律学習

「自律学習」の重要性に触れましたが、その重要性はほとんどの人が理解していることでしょう。

ところが、自律学習(自ら目標や計画を立てて、学習をその計画に従って実行すること)については、多くの人が、
やり方が分からない
やったことがあるけどうまくいかない
というような状況ではないかと思います。

なぜなら、
学校や塾で、各教科の内容は教わるけれども、
学習の目標や計画の立て方、効率的な学習方法、さらには学習や習熟度の評価の仕方など、
「自律学習の方法」を、学校や一般の塾ではほとんど習わないからです。

「自習が大切」とか「自習しておきなさい」と、よく言われるけれども、
ほとんどの人は、その「自習の仕方」を習っていないのです。

その理由の一つとしては、学校や塾側で定めた一律の学習計画(カリキュラム)で授業を進める方が、1対多数の集団授業というシステム上、授業を進め易いから、また、一人ひとりにあわせた計画と進捗の確認が必要な「自律学習」は、その指導もマージメントも手間がかかりすぎるから、です。

自律学習を成立させる3つの要素

自律学習を成立させるためには、大切な3つの要素があります。

  1. 自分で自分のやり方や生き方を変え(成長し)、自らの力で夢や目標を実現できるという【信念】
  2. 望ましい将来像を強くイメージすることによる期待感・ワクワク感という【感情】
  3. 学習することにより、理解できなかったことが理解できるように、解答できなかったことが解答できるようになったという【成長実感(成功体験)】

この「信念」「感情」「成長実感(成功体験)」という要素は、今まで塾や学校教育においては、あまり重視されてきていない要素ですが、学習を継続し習慣化させるためにはなくてはならない要素です。
この3つの要素のうちどれかひとつでも不十分な場合、学習を継続するモチベーションが低下し、継続できなくなる場合があります。

学校や塾でこのような経験はないでしょうか?

  • 現状の成績や学習態度で進路を判断された(自分を変え目標を達成できるという信念の否定)
  • 現在の学習が自分の将来にどのようにつながるかも教えられずに、義務的・強制的に学習させられた(感情を無視した指導)
  • 勉強を頑張ったのに、画一的なテストで学力を判断された(成長を実感する機会の喪失)

など、

例をあげればきりがありませんが、学習を支援するはずの学校や塾で、学習の意欲や効果を低下させる行為が行われていることも事実です。
苦手科目も、このようなことがきっかけとなって、生れます。
決して、本人の先天的な能力不足が原因ではありません。

目標達成のための「決意」「決断」

どんな目標であれ、それを達成しようと思ったら、今の自分を変えるという「決意」「決断」が必要です。

自分を変えるというのは、習慣を変えること。

これから、個別指導塾フェイスの「自律学習コーチング」の内容に関して説明しますが、自分の習慣を、目標達成に向けて、変えると決意、決断して腹をくくっていないと、このコーチングの効果は半減します。

“On Commitment”(深く関わる決意について) 

W・N・マーレイ

このことは非常に単純に聞こえるかもしれないが、結果はとても大きなものになる。
何かに深く関わる決心がつくまで、人は躊躇する。
尻ごみすることもあれば、いつも無駄なことばかり。

自ら進んで行う創造に関わる全ての行為には、共通する一つの真理があり、それに気がつかなければ、数え切れないほどの夢とすばらしい計画を殺すことになる。
その真理とは
人が強い決意をもって深い関わりを決めた時、そのとき神意も動く
というものだ。
その決意から生れるすべての事象の流れは、予期せぬさまざまな幸運となり、誰もが夢にさえ見ることができなかった出会いや物質的な恩恵とともに、その人の歩む道にやってくる。

私はゲーテの次のような対句に深い畏敬の念を覚える。
あなたができること、また、できたらいいと夢見ていることを始めよう。
大胆さには、才能、力、魔性が含まれている。

-原文-
This may sound too simple, but is great in consequence. Until one is committed, there is hesitancy, the chance to draw back, always ineffectiveness.

Concerning all acts of initiative (and creation), there is one elementary truth the ignorance of which kills countless ideas and splendid plans: that the moment one definitely commits oneself, then providence moves too. A whole stream of events issues from the decision, raising in one’s favor all manner of unforeseen incidents, meetings and material assistance, which no man could have dreamt would have come his way.

I learned a deep respect for one of Goethe’s couplets: Whatever you can do or dream you can, begin it. Boldness has genius, power and magic in it!

さて、決意・決断はできましたでしょうか?

ご参考に
良い習慣をつづけ、悪い習慣をやめる方法(PDF:0.6Mb)

では、個別指導塾フェイスの「自律学習コーチング」の内容に関して説明します

フェイスの自律学習コーチングの内容

フェイスで行っている「自律学習コーチング」の概略を、下記の図1:自律学習のプロセスとコーチング範囲と、その図の下にリンクしたの自律学習コーチングのフレームワーク・サンプルを使用して説明します。


図1:自律学習のプロセスとコーチング範囲


資料:自律学習コーチングのフレームワーク・サンプル(pdf)

自律学習の重要なポイントはこのフレームワークなどを利用して、

塾生自らが、望ましい将来像のイメージや具体的な目標設定、学習計画立案、および実行結果の評価と計画の見直しまで、行うことです。

認知心理学の研究では、目標設定や計画立案、実行に対する評価や計画の見直しは、学習者自身で行う方が、あきらかに学習効果があることが認められています。

目標や学習計画を他者から提示され、他者からその実行結果を評価されても、学習効果はあまり期待できないことは、皆さんはすでに経験されていることでしょう。
特に苦手科目に関しては、学校で先生主導の学習計画(シラバス)に従っても苦手になったわけですから、他者からの統制があまり効果がないことは明らかです。

自律学習コーチングは、自律学習における、望ましい将来像のイメージや具体的な目標設定、学習計画立案、および実行結果の評価と計画の見直しなどの方法や観点をガイドし、学習者に自らの意志で学習を計画し進めるように誘導します。
また、学習者が自律学習コーチングを受けることで、苦手科目の克服や志望校合格という目標達成だけでなく、学習のやり方を学習し、客観的に自分の行為を観察評価すること(メタ認知)を修得することになります。この知恵と経験は生涯学習の基盤になります。

自律学習コーチングの基本的な進め方は以下のステップになります。

  1. 望ましい将来像をイメージする
  2. 具体的な目標設定
  3. 計画的学習の習慣化(PDCAサイクルの習慣化)
  4. 自律学習の成立
  5. 目標達成

では、各ステップの内容をご紹介します。

①望ましい将来像をイメージする

なぜ、目前の目標である大学受験や苦手教科を克服するために、その先の望ましい将来像をイメージする必要があるのか?

と疑問に思われた方もいると思いますが、

実は、間近な目標を達成するためには、その先の将来のイメージがものすごく大切なのです。

メタアウトカムという考え方

目標を立てても達成できない、頑張り続けることができずどうしても怠けてしまう。
そんなとき、自分は努力の才能がないと思ってしまうかもしれません。
でも、実は、人間は皆、怠けることに傾きがちな脳の構造を持っています。

脳には、「大脳辺縁系」や「脳幹」という生命維持や本能行動、情動行動に関与する生物としての基本的機能を司る脳があります。潜在意識に関係している脳ともいわれています。

この「大脳辺縁系」や「脳幹」は生命維持が主な機能なので、「恒常性:ホメオスタシス」を強く保つ性質があり、
そのため、安定を求め変化を嫌います。
この変化を嫌う性質が、目標を達成するために「変わろうとする」ことを邪魔し、成長(変化)する努力を、怠けたり、あきらめたり・・・という思わしくないことにつながります。

目標達成のためには、この「大脳辺縁系」や「脳幹」をだます必要があります。

今、やろうとしている変化(努力)は、自分の生命維持にとって「必要なもの」であると、「大脳辺縁系」や「脳幹」をだますのです。

生命維持にとって「必要なもの」とは、満足感、達成感、喜び、幸福感などの「生きることに活力を与えるプラスの感情」をもたらすものです。

そのために、間近な目標達成の結果得られる「望ましい将来像」を強くイメージし、期待感やワクワク感、その将来像が実現できたときの喜びや幸福感を感じることができるまで、さらに、強くイメージします。

そのワクワク感や喜びという感情で、これからやろうとする変化は生命にとって重要なものであると、「大脳辺縁系」や「脳幹」をだますのです。

このような方法を、心理学では「メタアウトカム」といいます。
「メタ」という接頭語は「一次元上の」という意味で、「アウトカム」とは「結果」を意味します。

間近な目標達成の結果得られる高次元の(その上位の/その先の)状態が「メタアウトカム」です。

自分は変われるという信念

この望ましい将来像をイメージするというコーチングの最初の段階で、

  • 繰り返し使った能力が伸び、使わなかった能力が相対的に低下すること
  • 遺伝的な要素や環境的な要素は、ほとんど自分の能力や成果には影響がないこと
  • 本人が意識したこと考えたことが現実になること

つまりは、
・その人の意志と行動がその人の状況のすべてを決定しており、五体満足であれば、どんな能力でも身につけることができ、どんなことでも達成できる可能性がある。

ということを学習者が学び、信念を持って臨むように誘導します。

この信念なくしては、何事も成就しません。

望ましい将来像(夢や希望)を人生の様々な角度からイメージする)


図2:望ましい将来像レーダチャート

望ましい将来像(夢や希望)をイメージするとき、このチャートのように、人生の様々な角度から「望ましい将来像」をイメージしてください。

目先の目標が本当に目指すものであるかを確認する意味でも、望ましい将来像を想像してみてください。

目的地を間違えると、間違ったところを目指して努力することになりますので、真剣に考えてください。

“Begin with the end in mind”(結末や目的、目標を念頭において始める)

スティーブン・R・コヴィー

成功のはしごを昇り始める前に、それが本当に目当てのビルに立てかけてあるかどうかを確かめなさい。
もし、はしごをかけ違えていれば、一段ずつ昇るごとに間違った場所に早くたどり着くだけである。
ほとんど人は一生を掛けて成功のはしごを登るけれども、昇りつめたときにようやく気付く、そのはしごは間違ったところにかけてあったことに。

-原文-
Before you begin scrambling up the ladder of success, make sure that it is leaning against the right building.
If the ladder is not leaning against the right wall, every step we take just gets us to the wrong place faster.
Most people spend their whole lives climbing the ladder of success, only to realize when they get to the top, the ladder has been leaning against the wrong wall.

イメージや思考と感情の関係を学ぶ

望ましい将来像をイメージすることで得られるもうひとつの知恵があります。

それは、イメージや思考で感情が生み出されるということです。

感情は、人間の行動を大きく左右します。
特に、「不安」や「恐れ」は、人間の行動を委縮させ、それにより、本来の能力を発揮できなくなります。
受験にとっては、そのマイナスの感情は最大の敵になります。

感情は、直接、自分の意志で変化させることができませんが、
幸いに、脳は外界で起こっている事象と頭の中でイメージした事象を区別することができません。
「梅干し」や「レモン」をイメージすると酸っぱく感じる、という現象です。

脳は、頭の中でイメージしたものを本物だと勘違いし、それに反応するのです。

つまり、具体的には、
自分が望むことをイメージすれば、喜びや、期待感や幸福感を感じるように脳は反応し、
自分が望まないことをイメージすれば、不安、心配、恐怖、怒り・・といったマイナスの感情を感じるように反応します。

このような思考と感情の関係を学習し、自律学習を進める段階で、気分が乗らないときなどの処方を修得します。
詳しくは、メンタル・コーチングでご紹介します。

②具体的な目標設定

望ましい将来像のイメージ化に続いて、それを実現するための具体的な目標設定を行います。
ここでは、大学受験と定期テストなどの目標設定の2つの例を用いて説明します。

例1:大学受験の目標設定

志望大学合格に必要な以下の内容を自ら立案し具体的に作成する目標設定を行います。

・志望校の設定
・各科目の現状
・志望校合格に必要な総合点(総合目標点)
・それぞれの科目での目標点
・科目ごとの差分(加点目標)
・各科目ごとの差分をどのような学習内容(課題)でクリアするか

大学受験は、総合点で判断されるので、どの科目でどれだけ得点し基準の総合点に持ち込むか?という戦略が必要です。
さらに、それぞれの科目の加点目標をどのように実現させるかとう戦術が必要になります。

その戦略と戦術をコーチングします。

例2:定期テストなどの目標設定

成績を上げたい教科を決めて、どのくらい成績を上げたいか(実現可能で満足できる達成目標)を自ら設定し具体的に課題まで作成する目標設定を行います。

・成績を上げたい科目の設定
・現状の把握(直近の点数)
・目標点(実現可能で満足できる目標値の設定)
・科目ごとの差分(加点目標)
・各科目ごとの差分をどのような学習内容(課題:対策内容)でクリアするか

各学校、各教科で、定期テストに対して求める要求内容が異なります。
たとえば、上位の進学校では、定期テストの内容は、普通に解いていたのでは、まったく時間が足らないようなボリュームで出題されます。このような場合、試験範囲の内容の暗唱やパターンを暗記するまで演習する といった目標設定が必要になります。

定期テストの目標設定においては、この例のような、学校の要求に合わせた戦術的な目標設定のコーチングを行います。

③計画的学習の習慣化


図3:学習のPDCAサイクル

フレームワーク(サンプル)にあるMBO学習実行計画、週間スケジュール、習熟度確認シートなどのフォーマットを利用して、全体計画から週間、日々の計画までの立案(Plan)から実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)の以下のPDCAサイクルをまわします。

  1. 計画(Plan)
  2. 志望校合格」や「苦手科目克服」などの目標を達成するための具体的な学習計画を立てる

  3. 実行(Do)
  4. 学習計画に従って学習し、実行内容と学習の達成度(習熟度)を記録する

  5. 確認・評価(Check)
  6. 学習計画と実行の差異を確認し、学習の達成度(習熟度)を評価する

  7. 改善(Action)
  8. 学習の達成度(習熟度)に問題あれば、計画および実行の内容を改善する
    (実行が計画通りでなくても、学習の達成度が順調であれば、問題なしと判断する)

PDCAサイクルを回す重要な視点

「計画通りにはいかない」が当たり前

まず、ほとんどの場合、最初に立てた計画(Plan)通りに実行(Do)できません。
計画通りにいかないからこそ、上記のPDCAサイクルがあるのです。
多くの人は、1,2回PDCAサイクルを回しただけで、計画通りにいかなくて、挫折します。

計画通りに進むことが重要ではなく、PDCAサイクルを回すことが重要なのです。

もちろん、計画通りに行けば、それに越したことはありません。
最初は、1週間単位でPDCAサイクルを回すようにした方が、実績も把握しやすいでしょう。

習熟度による進捗の評価

実施計画の目標値を量から習熟度にしてください。

どうしても、量だと、過度に計画しがちです。
1週間で、3割の習熟度を8割にするというような計画にしてください。

習熟度は、なるべく、細かい単元や単位ごとで計画し、結果を測定してください。
その単元や単位に対して、1回目、2回目、3回目の演習の結果としての習熟度を確認します。

回数を重ねて学習すれば、必ず習熟度は向上します。
この成長実感が、自律学習を習慣化する(PDCAサイクルを回す)原動力(エネルギー)になります。

学習(成果)曲線というルールを知る

学習曲線というルールがあります。

それは、努力した度合いに対して成果が遅れてついてくる、というルールです。

先の項で、各単元、各単位での習熟度は、演習の回数を重ねれば、必ず、その単元、単位の習熟度が向上することを紹介しましたが、模試などの総合的な能力を測定するテストでは、特定の単元の習熟度が向上しても、そのテストの点数が伸びるわけではありません。

努力した度合いと同じペースで成果(点数)が出ればよいのですが、学習を開始してある一定期間(平均して約3カ月)は、ほとんど成果が出ません。これをプラトー現象と呼びます。
それでも、努力を継続した場合、努力が一定量を超えた時点で、一気に成果が上がります。

しかし、ほとんどの人は努力した量に比例して成果が上がるとイメージしがちです。ですが、現実、努力の量に比例して成果が上がるわけではないため、一気に成果があがる一歩手前の段階で、あきらめてしまいます


図4:学習(成果)曲線(1)

受験を前提とした学習の場合、一般的に基礎、応用、発展、最後は過去問演習という段階を進みますが、それぞれの段階で、この成長曲線のルールが適用されます。

前の段階の成果が不十分なまま、次の段階に移行しても、学習の効果はほとんどありません
受験勉強は必ずしも難しい問題を解くことではありません。基礎段階から受験勉強をスタートしなくてはいけない科目もあるかもしれません。
焦らずに、このルールを踏まえて、各段階で成果が十分になるまで、あきらめないで継続する必要があります。
おおよその目安ですが、大学共通テストのマーク模試で平均点(得点率約60%)で、大学受験勉強での基礎段階完了、75%で応用段階完了です。

フェイスの自律学習コーチングでは、このような学習理論を踏まえて、学習継続の必要性を合理的に説明し、努力を促します。


図5:学習(成果)曲線(2)

メタ認知による学習方法の習熟

メタ認知とは、「自分の考えについて考えること(Thinking about Thinking)」との定義がなされています。
つまり、自分自身の思考や行動や結果をあたかも第三者のように客観視して、これらを理解したり、振り返ったり、時にはコントロールすることです。

メタ認知よる自律学習が、効果的であることは、人材開発の研究で明らかにされており、学習のPDCAサイクルを回す際に、自分の計画や実行、習熟度などを客観視し、計画内容を学習方法を改善していくように、コーチングすることで、著しい成果が上がります。

中学生や高校生には、早すぎるという意見もありますが、そうではありません。

人は、どんな年齢であろうと、他者からの統制を嫌い、自律的であろうとします。学習も本来、人が本来望む形で進めていく方が、効果があることは目に見えています。

ただし、メタ認知による思考行動の客観視や自己評価や自己改善に関しては、ネガティブな評価に陥らぬよう、適切なコーチングが必要です。

④自律学習の成立と⑤目標達成

PDCAサイクルの習慣化をコーチングで促すことにより、自律学習は成立し、苦手科目の克服や志望校合格といった目標達成も自ずと結果としてついてきます。

もちろん、自律学習の習慣化の過程で、紆余曲折は多々あります。
特に、頑張っているのに、なかなか成果が出ないとき、模試で良くない結果が出たとき、
苦しい思いにさいなまれ、焦りも生じて、いけないと思っても、望まない結果を想像して、不安になったり、恐怖を感じたりしてしまいます。人間だから、しょうがありません。

そんなときに、メンタル・コーチングで、気持ちを高揚させ、頑張る状態に引き戻します。


入塾者全員に提供するイニシャル・コーチングについては以下を参照ください。

入塾されたすべての塾生にイニシャル・コーチングを受講してもらいます。 ●学習に対する苦手意識(メンタルブロック)の解消、●挑戦的な目標設定ができるマインドセットの獲得、●セルフイメージ(自己肯定感・自己効力感)の向上、●学習の意義の獲得  が期待できます。