英語の長文を前にして、どこから手をつけたらよいか分からない——。こうした声は、フェイスに通う塾生の多くが、最初に話してくれる悩みの一つです。単語は引ける。文法も一通り学んだ。それでも、一文の構造が取れず、何度も行を往復して集中が切れる。気づけば数分が過ぎ、読み終えたはずの段落の内容を覚えていない。
私たちは、この現象を「努力不足」ではなく、学習の流れが途切れる「仕組み」の問題だと考えています。フェイスの塾生のために作った「【英語】読解アシスタント」は、この流れの途切れをできるだけ減らすための、小さな常駐ツールです。
このページでは、どのような困りごとに応えるツールなのか、何ができるのか、そしてフェイスの対面指導(個別指導)とどう組み合わせて使ってほしいのかを、順にご紹介します。
私たちが先に公開した「AI時代の『次世代学習戦略』」の中で、自己学習に立ちはだかる3つの壁の一つとして「検索の壁」を挙げました。分からない単語や構文を調べるたびに集中が途切れ、学習の流れが止まる——これは、個人の努力や意志の問題ではなく、学習の「仕組み」が整っていないために起こる構造的な問題です。
英語の読解において、この「検索の壁」はとりわけ高く立ちはだかります。長い論理(修飾、接続(主従)、目的、結果などの)関係を持つ一文を前に、塾生は同時に次のような処理をしなければなりません。
辞書を引き、文法書を開き、ノートに構造図を書く——この一連の作業を手作業で繰り返すうちに、読んでいた文章の文脈そのものを見失ってしまう。私たちがずっと目の当たりにしてきたのは、こうした「調べ物で読解(思考・記憶・推論・・・)が止まる」場面の多さでした。
「【英語】読解アシスタント」は、この途切れを減らすことを一点に絞って作られています。派手な機能は備えていません。ただ、塾生が読解に集中し続けられるよう、調べ物の往復を最短化することだけを考えています。
読解アシスタントは、起動すると画面の端に小さく常駐します。ブラウザで英文を読んでいるとき、電子教材を開いているとき、単語や一文をドラッグで選択する、あるいはダブルクリックするだけで、その英文が自動的にツールへ取り込まれます。別のアプリに切り替える、貼り付け操作をする、といった手間はありません。
読解を続けながら、気になった箇所だけを「つまみ上げる」ように扱える——この操作のなめらかさが、調べ物で学習が止まる時間を大きく減らします。
取り込んだ英文に対して「Analyze」を押すと、主節(S・V・O・C)と従属節、修飾語句が罫線で整理されて表示されます。これは、講師が板書で英文構造を説明するときの図と、ほぼ同じ形式です。
「この that は何を指すのか」「どこまでが主語か」といった、構造把握で迷う箇所が視覚的に示されるため、自分の頭の中で組み立てた構造と照らし合わせる——いわば答え合わせとして使えます。
「Direct」機能は、一文を頭から句の単位に切り分け、それぞれに「英文【和訳】」を並べて表示します。英語を日本語の語順に並べ替えて訳すのではなく、英語の語順のまま意味をとる練習のためにあります。
とくに、長文の速読や、入試レベルの複雑な修飾構造を含む英文に取り組む塾生にとって、「最後に一気に日本語として並べ替える」読み方から卒業するきっかけになります。
「Translate」を押せば和訳が、「Listen」を押せば英文の音声読み上げが即座に返ります。発音の確認、イントネーションの把握、和訳の概要把握——読解の流れを止めずに、必要な補助だけを素早く呼び出せます。
ツールに取り込まれた単語・文章は、「Sheet」機能でGoogle Sheetsに自動で書き出せます。単語リストと文章リストが分かれて整理されるため、後日、単語テストの素材として、あるいは再読用の教材として活用できます。
読解は、読んだ瞬間に学習が完了するものではありません。読んだ英文を、後から振り返り、繰り返し触れることで少しずつ自分のものになっていきます。学習の痕跡を、意識せずに残していく——それが、このログ機能が担っている役割です。
たとえば、高校3年生の塾生が過去問の長文問題に取り組んでいる場面を想像してください。
これまで:分からない単語に出会うたびに電子辞書を開き、長い修飾関係の一文に出会うたびにノートに構造図を書き、関係詞が指す先を確認するためにページを遡る。一問を解き終わる頃には、最初の段落の内容を忘れている。
このツールを使うと:分からない単語をダブルクリックすると、ツール上に取り込まれ、Translate ですぐに意味が確認できる。構造が取れない一文はドラッグして Analyze を押すと、S/V/O/C が罫線で示される。Direct を押せば、語順のまま意味をとる訓練もできる。辞書を開いている間に本文を見失う、という往復がほとんど発生しません。
読解中の「止まる時間」をできるだけ短くし、「読んでいる」という流れ自体を保つこと——それが、このツールが一貫して目指していることです。
誤解していただきたくないのは、このツールは塾生の学習を「AI で完結させる」ためのものではないということです。
Analyze が示す構造図は、あくまで一つの解釈です。高校・大学入試で問われる英文には、文脈依存の修飾関係、筆者の意図によって決まる係り方など、機械的な解析では取りきれない要素が多く残ります。Direct の訳し方も、試験で求められる「自然な日本語の和訳」とは質が異なります。
だからこそ、ツールで省いた時間を、講師との対面指導の場に振り向けてほしいと私たちは考えています。
「家ではAI、塾では人」——基幹記事で示したこの役割分担は、この読解アシスタントにも当てはまります。ツールが担うのは、塾生の手を止めないという一点。構造把握の「型」を身につけること、自分の頭で英文と向き合う訓練は、引き続き対面指導の中心的な役割です。
「定着」「応用」へのソリューションを順次追加予定
現時点での【英語】読解アシスタントは、学習プロセスの5ステップ「①情報の検索 → ②理解 → ③定着 → ④マスター → ⑤成果」のうち、①情報の検索=「検索の壁」を越えるための機能に注力しています。
今後は、一度出会った単語や構文を忘れずに使いこなすための「定着」のソリューションや、入試の応用問題に対応する力を育てる「応用」のための機能を、順次追加していく予定です。具体的な機能については、準備が整い次第、あらためてお知らせします。
このツールは、フェイスの塾生にのみご提供しているものです。2026年度は無償でご利用いただけます。2027年度以降は、講師による個別指導とのパック商品として提供を予定しています。
ご利用にあたっては、いくつかお知らせしておきたいことがあります。
画面付きの詳しい使い方は、操作ガイドにまとめています。
英語の読解で行き詰まりを感じている、現在の勉強法に手応えがないと感じている——そうした方は、一度フェイスの考え方をお聞きいただければと思います。広島駅から徒歩5分、大学受験に特化した個別指導塾として、まずはお話を聞かせてください。