中高一貫校で、入学当初から成績が低迷し、悩まれている生徒さんや保護者の方がたくさんいらっしゃいます。
当塾でも、中高一貫校の進学校に通われるの生徒の方で、入学当初から成績が振るわないため、入塾される方が毎年、何人かいます。
中高一貫校、それも進学校に中学受験して合格したのですから、決して、学習する力がないわけではありません。
記憶力も高く、読解力もあるし計算力もあります。
講師が説明すれば、100%理解できる基礎知識や理解力もある方がほとんどです。
では、なぜ、成績が低迷するか?
20年近く、個別指導を行ってきた経験から、そのような生徒さんは、ほぼ間違いなく、
「学習に対するモチベーション」が著しく低く、「学習の意義」を見失っています。
ですから、「苦手科目の成績アップ」というページでも説明しましたが、
成績低迷の対策のために、、、
●勉強時間の確保
●勉強方法の改善
●学習計画の立案
●指導強化
など、学習を今まで以上にやらせることで対策しようとしても、
余計に、「学習に対するモチベーション」を下げ、「学習の意義」を喪失します。
さらに、モチベーションを上げるための報酬(お小遣い、物、経験)を対策とする保護者の方もいらっしゃいますが、
一時的な効果があっても、余計に、モチベーションを下げる結果になります。
以上のことは、認知心理学でも明らかになっており、
自分がやりたい、という自発的、内発的モチベーションを誘発しない限り、この問題は解決しません。
ほとんどの塾は、集団授業であおった競争心であったり、個別指導でメンタルモデルとなる人格的にすぐれた講師の存在により、
偶発的に、自発的、内発的モチベーションを誘発していますが、確実な再現性を持った方法ではありません。
学習に対する自発的・内発的モチベーションの上げ方
学習に対する自発的・内発的モチベーションを発生させるためには。以下の4段階のステップが必要になります。
メンタルブロックの解消
学習に対するメンタルブロックとは、学習に対して努力しようとすることを妨げる障壁のことです。
その結果、勉強に対するモチベーションが下がり、成績が下がります。
このメンタルブロックは、無意識のうちに作られるもので、多くの場合、幼少期から学童期の学習や勉強に対する嫌な体験が原因となっています。
成績向上のために、自発的・内発的なモチベーションを発生させるための最初のステップは、学習の妨げとなるメンタルブロックを取り除くことです。そのためには、メンタルブロックの原因となるネガティブな経験を特定し、解消することがまず、第一に必要です。
メタアウトカムの設定
メタアウトカムとは、目前の目標の先にある目標やビジョンのことです。
このメタアウトカムがないと、目標達成のあとやる気が無くなり、学習に対するモチベーションが生まれません。
例えば、中学受験で進学校に合格しても、このメタアウトカムがない場合、学習に対するモチベーションが生まれにくく、勉強に意欲がなくなり、成績が低迷気味になります。
そのような状態が続くと、将来の目標も持ちにくくなり、良くない負のスパイラルが始まる可能性があります。
それとは反対に、メタアウトカム(将来の目標)を持っている人は、例えば「医者になりたい」とか「科学者になりたい」もしくは、「〇〇大学へ行きたい」などを未来をイメージしてる人は、「学習のメンタル・ブロック」が多少あっても、学習に対するモチベーションは下がりにくいという傾向があります。
もし、このメタアウトカムが明確でないようであれば、途中で変更しても良いので、早期に、将来の目標やビジョンを持つ必要があります。
メタアウトカムとセルフイメージの一致
一般的にモチベーションには、以下の2種類があるといわれています。
1.外発的モチベーション
2.内発的モチベーション
1の外発的モチベーションはアメとムチのモチベーションで、
やらなかったら罰が与えられる。やったら褒美がもらえる。というモチベーションのことで、継続性がなく、行為自体も効率が悪いものです。
2の内発的モチベーションは、「やりたいからやる」という、自らの衝動や意志によって生み出されたモチベーションで、このモチベーションが一番良いとされています。
ただし、この内発的モチベーションは、どのようにしたら発生するのかを、多くの人(教育関係者でも)が理解していないため、1の外発的モチベーションを誘発するアメとムチを使い、結果として、余計に学習のモチベーションを下げ、メンタルブロックをより強化してしまう場合があります。
自発的・内発的モチベーションは、以下のメカニズムで発生します。
上の図が、自発的・内発的モチベーションが発生する仕組みをあらわした図です。
セルフイメージ(自分に対する自分の評価・解釈)が現状とイコールの人は、基本的に、現状がコンフォートゾーン(居心地の良い場所)になり、自己改善のための努力のような内発的モチベーションは発生しません。
「何のために勉強するの?」といった疑問を持っている人は、この状態(現状=セルフイメージ)になっていて、努力の必要性を感じてません。むしろ、努力しなくていい場所がその人のコンフォートゾーンになっているので、ホメオスタシス(恒常性)という変化を嫌う人間の本能によって、努力を嫌う傾向があります。
自発的・内発的モチベーションを生み出すためにはには、
まずは、
1.現状の延長線上を超えた挑戦的な目標設定(メタアウトカムの設定)
さらに、
2.自分のセルフイメージをその目標を達成した意識の状態にする。
これで、目標を達成した状態が、自分のコンフォートゾーンになります。
ところが、リアルな現状は、もちろん、まだ目標を達成できている状態ではありませんので、目標と現状の間にはギャップがあります。
3.そのギャップがエネルギーになって、内発的モチベーションが生まれる。
「私は、こんなレベルのものではない!」
「私は、まだまだヤレる!」
といった、やる気の高揚感がある状態のことです。
スポーツで例えれば、試合に負けて、悔し涙を流している選手の心理状態です。
このように、望ましい内発的モチベーションは、まずは、現状の延長線の外にゴール(挑戦的な目標)を置くことから、始まります。
個別指導塾フェイスができること
個別指導塾フェイスでは、入塾された方、全員に、このメンタル・ブロックを解消し、
メタアウトカム設定やセルフイメージをそのメタアウトカムに一致させ、
学習において、最も必要な意識である、「自発的・内発的モチベーション」を生み出し、維持するイニシャル・コーチングを実施します。
イニシャル・コーチングについては、以下をご確認ください。
さらに、学習面では、なるべく学校の進捗に合わせながら、個々の学力レベルに合わせた内容や単元も盛り込んで指導します。
個々の学力レベルに合わせた内容や単元も指導しますので、
入塾当初は、勉強に不慣れな方でも、数か月もすると、できる範囲も増え、勉強が当たり前の意識になっています。
そして、いつの間にか、勉強が面白くなる教科も増えてきて、勉強に自信がついてきます。
学習に自信がつけば、その意識状態が、その人のコンフォート・ゾーン(居心地の良い場所)になるので、自然に、勉強しないと何か落ち着かない、といった感覚が生まれてきます。
この勉強するのが当たり前という状態になったとき、本格的に、学校のペースに合わせた指導を始めていきます。
中高一貫校は、進学校のため、学習の進捗が速く、難易度も高いため、まずは、学校の進捗ペースについていくことができれば、高い学力レベルに到達できる可能性があります。