大問6(説明文の読解)の解き方
英文で書かれた説明文(論説文)の特徴
英語で書かれた説明文(論説文)には一つの特徴があります。
それは、
各段落の最初の文章か最後の文章のどちらかに、その段落のテーマや趣旨を記載する。
というものです。
これは英語で論説文を書く場合のルールですから、センターの太問6もそれにならっています。
以下は、2017年センター英語の大問6の各段落の最初の文と最後の文を抜粋したものです。
英文のあとに、日本語訳を記載したのでそれを読んでみてください。
段落1
最初の文:
For most people, their friendships are a valuable and important part of who they are.
最後の文:
Fortunately, even when such conflicts occur, it is possible to find ways to maintain or save the friendships.
段落2
最初の文:
One way to help save a friendship in trouble is to keep in touch.
最後の文:
Not cutting off contact, even when we may be angry, is very important for maintaining good relationships.
段落3
最初の文:
Another way to help a friendship is to see things from our friend’s point of view.
最後の文:
Mark then understood why Kate hadn’t come and, instead of being angry, he felt sympathy for her.
段落4
最初の文:
An important part of dealing with friendships is to recognize and accept that they can change as our needs and lifestyles evolve.
最後の文:
We should keep in mind that we may still be friends but not in the same way as before.
段落5
最初の文:
How do people keep friendships for a long time?
最後の文:
By taking their friends’ viewpoints and not being afraid to express their honest feelings, those who were interviewed were able to keep something minor from growing into a major argument.
段落6
最初の文:
We all know that friendships are precious, but we also understand that friendships are not always stable.
最後の文:
However, regardless of the states of our friendships, they will continue to be an important part of our lives.
訳すと
段落1
最初の文:
ほとんどの人にとって、その人の友達付き合いはその人の人となりを表わす価値のある重要なものである。
最後の文:
幸運なことに、そのような衝突が起こったときでさえ、交友関係を維持し守る方法を見つけることができる。
段落2
最初の文:
よくない状態にある交友関係を修復するのに役立つ一つの方法は、連絡を取り合うことだ。
最後の文:
接触することをやめないことが、怒りに満ちているときでさえ、適切な交友関係を維持するのに非常に重要である。
段落3
最初の文:
交友関係の維持に役立つ次の方法は、友人の視点から物事を見ることだ。
最後の文:
そして、マークはなぜケイトが来なかったを理解し、怒るかわりに、ケイトに共感を覚えた。
段落4
最初の文:
交友関係に対処するために重要なことは、我々のニーズと生活様式が進化するにつれて、交友関係の内容が変わる可能性がある、ということを認識し受け入れることだ。
最後の文:
前と同じではないけれども、交友関係を維持し続けることができることを、肝に銘じるべきだ。
段落5
最初の文:
どのように人々は長い期間にわたって交友関係を維持するのか?
最後の文:
友人の見方・考え方を尊重しつつ、本音で対応することをためらわないことによって、インタービューに応じた人たちは、些細な出来事を大きな争いに発展させないようにしていた。
段落6
最初の文:
みな、友情は貴重なものであるが、必ずしも安定しているわけではない、と理解している。
最後の文:
しかしながら、交友関係がどんな状態であっても、その友情は我々の人生にとって重要なものであり続ける。
このように、各段落の最初と最後の文章を読めば、各段落と全体のテーマおよび作者の言いたいことや結論がほとんど理解できるのではないでしょうか。
知っているテーマの英文は、読みやすい
知っているテーマの英文は、少々分からない単語や難解な文構造があっても、読み易い、という経験をした人も多いでしょう。
大学共通テストでは、公平を図るために、一般的な受験生があまり知らないテーマを問題に採用する傾向があります。
2017年の本試も、上述のように、「友情の維持の仕方」というテーマを採用し、多くの受験生にとって、友情というものは身近なテーマであるけれども、学術的に研究された内容を読む機会があまりない内容をテーマとしています。
つまり、あまり知らないテーマが問題文になることを前提として、
先ほど紹介した、各段落の最初の文と最後の文を読むことで、テーマを頭の中で構築してから、問題を解くようにすれば、
まったく未知のまま問題文を読むより理解が深まります。
各段落の最初と最後の文章を読むだけで大問6の最後の2問が解ける
さらに、もし、ある程度正確に各段落の最初と最後の文章および設題の文章を読むことができれば、
それだけで、大問6の設題Aの問5と設題Bの2問が解けます。
(平均点前後をすでに取れている人は、知らない単語や文構造があるかも知れませんが、ほぼ正確に読めているはずです。)
2017年(本試)の大問6の設題A問5と設題Bをみてみましょう
設題A問5の日本語訳は、
この文章の最も適切なタイトルは?
①交友関係を続けるためのアドバイス
②あなたと友達を守ること
③交友関係の重要な鍵としての強さ
④変わりゆく友情の本質
各段落の最初と最後の文章を読むだけで、①交友関係を続けるためのアドバイス が答えだと分かるでしょう。
設題Bの各段落のテーマの日本語訳は、
①長い期間の友情に関する研究結果についての報告
②友の受け取り方から状況を見ることの重要性
③友情の形は変化していくものであるという理解の重要性
④友人とのふれあいや交流を維持することの価値
各段落の最初と最後の文章を読んだだけで、、
段落2 ⇒ ④
段落3 ⇒ ②
段落4 ⇒ ③
段落5 ⇒ ①
が各段落のテーマであると分かるでしょう。
このように、各段落の最初の文章と最後の文書を読むことで、設題Aの問5と設題Bを解くことができますが、
不安であれば、設題Aの問1から解き、本文をある程度読んでから、この設題Aの問5と設題Bを解いても大丈夫です。
効率の差はあまり無いでしょう。
大問6(説明文の読解)の解き方
大問6は以下の手順で解くことで、2度読みが減り、解答精度があがり、短時間で解答できるようになります。
- 問題本文の各段落の最初と最後の文章を読み、テーマと作者の意図や結論を把握する(重要だと思う個所をマーク、メモしてもOK)
- 設題A問5(文全体のタイトルを問う問題)と設題B(各段落のテーマを問う問題)を解く(全問題を解いたあとに再確認してもよい)
- 設題A問1と選択肢を読む
- 問題本文の該当する段落を読み解答
- 設題A問2と選択肢を読む
- 問題本文の該当する段落を読み解答
- 以下、同じことを繰り返す。